睡眠時無呼吸症候群
SAS:Sleep Apnea Syndrome
症状について
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome ; SAS)とは睡眠中にいびきとともに呼吸が止まり、日常生活に支障をきたし、健康障害が生じてくる病気です。呼吸が止まり、身体に取り込まれる酸素が少なくなると、睡眠中でも脳が起きた状態になり、呼吸を再開します。何度も脳が起きるので睡眠の量と質が低下し、日中の強い眠気や居眠りにつながります。他にも口やのどの渇き、慢性的な疲労感、集中力の低下、起床時の頭痛などの症状が出ることもあります。
無呼吸が毎晩、しかも年単位で起こることで、心臓・血管系の病気や多くの生活習慣病と関連することが指摘されています。とくに、心臓・血管系の病気では、高血圧症との関連が示され、狭心症・心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳卒中の発症にも関係しています。また、居眠りによる交通事故や、仕事の作業能率低下、性格上の変化との関連がいわれています。
いびきや無呼吸を御家族やベッドパートナーに指摘されて、病気が見つかる方も珍しくありません。
原因
睡眠中に呼吸ができなくなってしまう原因は、空気の通り道である気道が閉塞してしまうからです。
では、なぜ気道が閉塞してしまうのでしょうか?
1つは肥満が理由です。肥満によって気道が狭くなります。
実際、肥満はSASの患者さん全体の60%以上にみられます。 ただし、SASは肥満の人だけに認められる疾患ではありません。やせている人でも下顎が小さい人や扁桃腺が大きい人、また高齢者の人などでもSASは起こりやすくなります。
痩せている人でも注意が必要です。
検査
スクリーニング:自宅にて簡易式診断器による検査を行います。
精密検査:8時間の睡眠ポリグラフィ(PSG)検査を行います。(他院紹介)
治療
減量、禁煙、飲酒を控える、過労の予防など生活習慣の改善が基本です。
中等症以上の方にはCPAP(持続陽圧呼吸)療法(保険適用)が第一選択です。鼻マスクから気道に空気を送り込み、睡眠中に起こる気道閉塞を防ぐことにより、効果は次の日から認められ、眠気が全く無くなる人もいます。
軽症の方には、口腔内装置(マウスピース)が有効な人もいます。(診断書により保険適用)
CPAP療法に支障がある場合、気道の構造に問題がある場合、耳鼻科的手術を行う場合もあります。
当日の持ち物について
- 保険証(各種医療証)
- 服用中のお薬があればお申し出ください。
※薬局からの説明文書をお持ちいただいても大丈夫です。 - 問診票、予診票をあらかじめプリントアウトして、ご記入後、ご来院いただくとご案内までがスムーズです。